8歳の女の子がんばりました。1年前の鼻、おでこの複雑な外傷に縫合処置
今回はあざではありませんが、形成外科のお仕事である 「きず・けが」の縫合について記載いたします。
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外傷・きず・けがをした場合はやく縫合した方が良いのか?翌日などにしても良いのか?悩ましいところです。これにつきましては、問題点が2つあります。一つ目はゴールデンタイム以内に縫合を済ませること。一般に受傷後6~8時間以内が創閉鎖の「ゴールデンタイム」と言われています。傷ついてから6~8時間以上経った傷は常に感染していると考えられますので、「ゴールデンタイム」を過ぎた傷は感染していると考え、一般的には縫合しないです。しかし顔周辺は血流が良く1日ぐらい置いておいても比較的綺麗なので縫合してしまいます。(それで感染したことは鼻腔周辺の汚いところ以外大丈夫なことが多いですね)もうひとつは、「キズを縫合するのにキズを増やす縫い方をしないこと」キズを負って救急外来に飛び込んだら「綺麗に縫合」をみなにしてくれるというのは患者様の期待にそわないこともあり。実際救命外来は命を助けるための専門家の外来であることが多く、現状トリアージの概念から大量出血があれば救命措置としての縫合をしてくれます。基本的に「綺麗に縫う」概念はないと言っても過言ではない(・・・かもしれません。救急の先生ごめんなさい!)なのでトリアージされて形成外科などの専門家が呼び出されるのですが、土曜や日曜は平日扱いではないので形成外科医師不在なことが多いです。なので指示形態として「次回の形成外科の外来で対応してもらってください」と言われる訳です。①ゴールデンタイム②縫合の専門家が縫う、これら2点を総合してトリアージするのが救急外来の仕事となります。
さて患者様は、お母様の手記にあるように土曜日受傷後、週明け月曜日の指示をされました。先の①②に辛うじて当てはまるのでとりあえず対応は合格点です。しかし患者様が痛がったり、出血したのであれば話は別です。また我が子の事を心配する親の気持ちも汲まなくてはいけません。③番目としてここも大事と考えます。
本日はお母様から過分なお褒めの言葉を頂きました。
あの日、院長は「あたりまえ」の事をしただけでした。ただキズがあって早く対応しなくちゃと思い、土曜の夕方縫合を行いました。テープを取ってびっくりしました。かなり深いキズだったのです。もっと、びっくりしたのは8歳の女の子でしたが、部分麻酔で2時間弱の長時間、恐怖と緊張の中耐えていたことです。鼻という難しい形態でしたので時間がかかりました。しかし患者様が一番頑張りました。すごかったです。
キズも綺麗に治ったので良かったです。そしてお母様からこの様な多分なお褒めを頂いて院長も鼻高々です。
初診時です↓
1年後です↓
すべての写真は流石に載せられません。本当に複雑にて2時間近くかかりました。大変でしたがご本人もがんばりました。
お母様からの手記です↓
自転車で転倒し額と鼻を深く切る怪我をしました。土曜日午後で自宅近くの救急外来を受診したところテープとガーゼで保護をして月曜日に形成外科へ来て下さい、と言われました。傷の大きさと痛がる子供をみてとても月曜日までは待てないと思いその時診療のある形成外科を探してこちらにたどり着きました。事情を聞いて受け入れて下さり、当日中に約2時間程かけて傷を縫合して下さいました。鼻は軟骨まで損傷していたとのことで最初の救急外来で聞いた説明よりずっと酷い状態でこちらでこちらですぐに手術していただいて本当によかったです。額と鼻という目立つ部分で傷跡がどのくらい残るのか・・・心配で最初は毎日泣いてばかりいましたが先生が丁寧に縫合していてくださったおかげで1年経った今ではよーく見ないと気づかないくらい綺麗になりました。偶然にたどり着いた病院でこの様な素晴らしい先生に診ていただけた事、本当に運がよかったと思います。先生をはじめスタッフの皆様ありがとうございました、たくさんの感謝を込めて。
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